ぬるま湯に浸る

2.5と呼ばれる舞台やら推しやらアニメとか。ゆるっと日常も。

推しの舞台に行かなかったはなし。

  • タイトルの通りの話で、それ以上でもそれ以下でもないのだけれど。

 

先週末あった推しの舞台に、わたしは行かなかった。

1日限りの朗読劇。

一昨年辺りから、数は作品によって差はあるけれど、どんな作品でも舞台に上がる推しの姿を見てきた。

その連続観劇が、先週末で途絶えてしまった。

 

正直な感想としては、こんなもんか。って、自分でも驚くくらい呆気ないというか、なんてことのないことだった。

わたしにとって推しという存在が、そんな「なんてことのない」ものになってしまったのかはわからないけれど、少しだけすっきりしたような気がしなくもない。

 

推しが出るならと、どんな作品でも足を運んだ。スケジュール的に厳しかったり、体調的にも余裕のないときでも、推しの姿が見れるならと通い続けた。

見るのが辛い作品も中にはあったし、劇団や主催からの客寄せパンダ的な扱いが悔しいと思ったこともあった。

それでも、彼の演技が好きだったから。

 

役者である彼を好きになった以上、舞台に立つ彼を見に行かなければ、彼を好きだと、応援していると言ってはいけないような、よくわからない強迫観念みたいなものに囚われていたような気がする。

「行かない」という選択をしたとき、今までのモヤモヤした気持ちが全部なくなったというか、肩の力が抜けたような、楽になれた気がした。

 

昨年当たりから、若排業界でも、結婚やら子どもやら、炎上したり、円満に報告があったりしたのを見たときに、

やっと、若手俳優というのは、あくまで職業なのだと思った。

仕事だから舞台に立っているし、仕事だから、ファンイベントをやったりするのだと。

ファンを大切にしてくれる推しのことは大好きだ。

推しがいたから、わたしは今日も元気でいられるってくらい(自分で言ってて重いと思う)、彼の姿からたくさんのものを貰えた。

 

プライベートと仕事の境界が曖昧な世界ではあるけれど、当たり前だけれど、彼等にもプライベートの時間というのは存在していて。

わたしたちが、プライベートで会いに行ってる彼等の姿はあくまでも仕事上の彼等に過ぎないのだと、何だか痛いほど実感してしまった。

 

勘違いされそうだから言っておくと、わたしは所謂リアコと呼ばれるようなファンでもないし、推しからの認知が欲しい訳でもない。

わたしの推し活動スタンスはまたいつか別に語りたいと思うが、そんなファンではなくても、やはり結婚とかって複雑なんだよね。

 

勿論、1人の人間として、祝福したい気持ちもある。

推しには世界一幸せになって欲しい!くらいに思っているし、

推しが幸せに充実した毎日が送れていたら、わたしはそれで幸せだよと思える。

 

自分のことを棚に上げるつもりは決してないけれど、大袈裟な表現をすると、わたしたちがどんなに、プライベートを削って応援してきた俳優たちも、本人たちのプライベートで素敵な誰かと出会い、そして、勝手に結婚していってしまう。

当たり前なのだ。

彼等のプライベートに、わたしたちファンが入り込む余地も、入り込んでいい理由だって、どこにもないのだから。

わたしたちファンのことを思って、本人のプライベートな幸せを犠牲にする必要もない。

わたしたちファンだって、推しなんて言いながら、別の若排に流れたり、オタ活は卒業したり、それこそ、わたしたちのプライベートの中で良い相手と結婚なんてことだって平気でするんだもの。

 

それなのに、推しが結婚するってなると、少しのおめでとうと、幸せになって欲しいの気持ちと、やっぱりどこかで寂しくなってしまうと思う。

 

昨年辺りから、そんなことを漠然と考えてた。

推しが結婚しました、という報告を受けても、変わらずに応援していく!と思える自信が、わたしにはなかった。

なんて勝手で、面倒臭いファンなんだろうって自分でも思う。

 

先週末の舞台に行かなかったとき、わたしは、推しの舞台を見に行かなくても生きていけるんだと思った。

安心した。

生活の一部みたいになっていた、推しの舞台を見るという行動がなくても、わたし大丈夫なんだって思えたらホッとした。

推しがいないと生きていけない!なんて重すぎて、気持ち悪くてゾッとするけれど、そんな勘違いをしてしまえるくらいに、推しという存在が自分の中で大きなものになりつつあったんだなと思った。

家族でも友人でもない、赤の他人なのに、こんなにも自分の人生に影響を与えてたなんて、推しは本当にすごい人だと改めて思う。

自分のいろいろなものを捨ててまで応援したいと思えた存在に出会えたこと、そんな趣味があったこと。

いつか良い思い出として、語れる日が来たらいいな、なんて思った。

 

これからは、自分のペースでゆるゆると推しの活躍を見届けていきたいと思う。